[結核蔓延と看護婦不足]

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【結核蔓延 看護婦不足】
 このころの結核蔓延状況について、『静岡新聞』には幾多の報道がある。浜松保健所は市内の中学校と小学校の教員五百五十六名の精密検査を行った結果、療養を要する者八名のうち、五名が開放性結核であり、休養を要する者が四名、要注意者が七名と判明している。しかも、四十歳・五十歳代の教員が多いという結果であった。そのために教員の受持児童の精密検査が必要になったと、昭和二十三年七月二十一日の新聞報道である。
 他方、厚生省の方針で結核療養所の病床増加策を打ち出したものの、看護婦不足で病床が余っている現象が生まれた。同二十四年六月二十三日の報道では、看護婦不足が報ぜられている。すなわち、赤佐村の天竜荘は病床七百七十のうち四百床が使用されているが、患者五名に看護婦一名を単位とすると、現在五十名の看護婦を百名に増員しなければならない。また聖隷保養農園の場合、九十七床を十六名の看護婦が当たっているという。都会の病院の看護婦数に比して片田舎の療養所の看護婦の就職者が少ないこと、月収五千円位の職業で保健婦より優遇されているにもかかわらず、現状は看護婦不足であるという。