[鼠の一斉駆除]

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【鼠 ねずみ捕りコンクール】
 昭和二十一年十一月九日付で浜松市役所は各町内会長あてに鼠の一斉駆除について通達を出した(上村家文書)。十一月十五日から十七日までの三日間に、「全市一軒残らず」例外なく実施するもので、殺鼠剤(アンツー)は無料で、一袋を五軒で分割するものであった。捕獲した鼠は焼却か土中深く埋めることとし、それが不可能な場合は火葬場に持参することが指示されている。翌二十二年十一月二十九日付、可美村役場文書では、「連合軍の指令に依りアンツー殺鼠剤を割当」がなされている。この時は殺鼠剤の代金は一個四円であった。また捕獲数の報告義務が各戸に課せられている。GHQ覚書による伝染病届出規則制定に基づく現場の実施要領である。
 さらに翌二十三年二月十二日付で市役所衛生課からの通達(一枚刷り)「鼠の全市一斉駆除実施について」が配布された。市民啓蒙のための詳細な記事である。1伝染病の病原媒体としての鼠について、2アンツーの毒性について(鼠に使用する程度においては人畜無害ということ)、3毒餌の製法について、4捕獲計画(第一日から第四日まで)の具体的説明、という主項目が並んでいる(船越町自治会所蔵文書)。
 このようなねずみ捕りは『広報はままつ』によると三十年代まで続くが、昭和二十七年十一月十五日付の『広報はままつ』には「ねずみ捕りコンクール」(十一月十日から三十日まで)の実施要領(一匹五円の買い取り、一等から六等までの賞品授与)が報じられている。