『繊維通信』

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【社団法人繊維振興協会】
 まず、浜松で発行され、しかも全国で屈指の織物の業界紙と見なされていたのが『繊維通信』である(昭和二十六年六月八日から日刊)。創刊の時期は明確でないが、発行元は社団法人繊維振興協会(本部は寺島町)で、その設立が昭和二十三年四月一日であるのでそのころの創刊であったと想像される。同紙は、昭和九年ごろから浜松を中心として発行されていた『浜松織物新聞』をそのまま受け継いだもので、綿織物を主体とする業界紙としては全国で唯一のものであったという。中でも別珍コール天についての連日の詳細な報道は、権威あるものと自負していた。読者は全国にわたり、昭和三十一年当時、その部数は二万に達していたが、業界の不況に伴い昭和六十一年ごろ廃刊となった。