水野欣三郎

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 水野欣三郎は明治三十七年に浜名郡浜松町早馬(現浜松市中区早馬町)に生まれ、東京美術学校(現東京芸術大学)彫刻科に学んだ。水野の戦後の活動は、昭和二十五年の、浜松市立図書館のための彫刻「フローラ」(花の女神の意)の制作に始まる。この年、水野四十六歳。この等身大の裸婦像(セメント)は、同年十一月二十日松城町に開館した浜松市立図書館の前庭に置かれ、長く市民に親しまれた。なお、この像は昭和五十六年、同地に改築された浜松市立中央図書館の玄関横に移され飾られている(平成六年三月にブロンズ像制作)。水野は、同じく昭和二十五年、浜松市立東小学校のために「少年と小鳥」、同二十九年、浜松市立高校講堂にレリーフ「母子像」、三十年には西遠女子学園のために「愛の灯」を制作している。一方で水野は、浜松市美術展覧会(市展)(昭和二十八年~平成二年)、浜松市労働美術展(昭和三十年~平成二年)の審査員を務めるなど、市の文化活動推進に大きく貢献している。また二紀会同人としては、昭和三十二年に二紀会同人努力賞を受賞、翌年には二紀会委員に推挙されている。水野の輝かしい活動は、この後平成八年三月に亡くなるまで続けられることになる。