[浜松城の再建]

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【中日本観光事業会社】
 明治維新後、浜松城跡は民間に払い下げられ、所有者は転々と変わった。昭和二十年代後半には小石幸一社長が経営する中日本観光事業会社が所有し、会社は昭和二十八年七月十二日から浜松城跡と動物園の猿ケ島との間百八十メートルに空中ケーブルカー(ロープウエー)を敷設し、展望電車、魔法の家、売店なども経営していた。浜松城跡は歴史的に見ても貴重で、市は昭和三十年にこれらの施設と三千坪の浜松城跡を買収し、そこに天守閣を建設する構想を持つに至った。しかし、価格の面で折り合いが付かず難航した。交渉の結果、翌三十一年になって浜松市がこれらの土地と施設を買収することが正式に決まり、六月一日から空中ケーブルは市営となり、大人三十円は二十円に、小人二十円は十円となった。城跡へは自由に入れることになり、浜松城復元の計画が現実味を帯びてきた。