[産振法・理振法の成立]

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【産業教育振興法 理科教育振興法】
 経済の発展と国民生活向上の基礎となるものは産業を振興させることにあるとして、そのための教育を振興しようと産業教育振興法が出来たのは昭和二十六年六月のことであった。これにより農業・商業・工業などの職業高校で使用する施設や機械・器具などの備品が国の全部または一部の補助で購入できるようになった。同時に小中学校の家庭科、職業家庭科の分野でも多くの備品(ミシン・アイロン、木工機械などの機械・器具等)が国の補助金で購入することが出来るようになり、工作室・家庭科室などの設置と相まって、子どもたちが手に技能・技術を付けることが可能になった。一方、科学技術の基礎となる教科は数学や理科であるとして、これらの教科の振興のために昭和二十八年に成立(施行は同二十九年四月一日)したのが理科教育振興法であった。これにより小中学校には顕微鏡・天体望遠鏡・人体模型をはじめ、各種の機械・器具・標本などが続々と入るようになった。また、算数や数学の教材も対象となった。これまで多くの学校では普通教室で理科を学んでいたが理科室が設置され、多くの機械・器具や実験道具、薬品などが用意されて、理科教育は大きく発展していった。