[盛んになったクラブ活動]

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【クラブ活動】
 昭和二十五年に浜松商業高等学校が夏の甲子園大会に出場したり、禁止されていた柔道や剣道が復活してくると運動クラブの活動は一層盛んになり、また、学芸(文化)クラブの数も多かった。昭和三十一年度に浜松西高校・浜松商業高校・西遠女子学園高校にあったクラブ名を表3―9に記してみる。高校の違いによってクラブ名にその特色が見られる。これらのクラブの経費は生徒会の予算で決まるが、その配分をめぐって各クラブ間で奪い合いとなり、生徒総会で承認が得られない事態もしばしば起こった。昭和三十一年度の浜松西高校の運動部と学芸部の予算の比率は二対一となっていた。ただ、野球クラブは予算が最も多いにもかかわらず、常にお金が不足していたので、特別に後援会の援助を仰いだり、特別寄付で賄うこともあった。新制高校発足後は民主化の波に乗って実に様々なクラブが生まれ、活発な活動が見られ、秋の文化祭・芸能祭は展示や音楽・劇などが華やかに行われた。浜松西高校は昭和二十六年十月二十日に浜松市公会堂で芸能祭を開催した。ピアノの連弾に始まり、ハーモニカバンド、演劇、混声合唱などが繰り広げられ、夜の部は一般市民も入れて、ハワイアンの演奏や演劇など、満員の観客に感銘を与えた。当時の『浜松西高新聞』はトップの見出しで「絢爛たり芸能祭」と記し、その詳細を報じている。ただ、昭和三十年代に入ると、普通高校では大学への進学準備や予算不足、顧問などの問題で往年の勢いはやや薄れていったようだ。
 
表3-9 昭和31年度の市内三高校のクラブ名一覧
浜松西高等学校浜松商業高等学校西遠女子学園高等学校
運動部学芸部運動クラブ文化クラブ運動部芸能・奉仕部学芸部
排球ハーモニカ陸上競技外語陸上競技部絵画食物(料理)
柔道音楽野球科学バレー部B工作洋裁
水泳演劇水泳タイプバスケット部B茶道手芸
送球文学庭球珠算テニス部B華道歴史
庭球弁論卓球写真卓球部書道社会
籠球放送籠球筆耕(プリント)ダンス 体操演劇弁論
体操写真柔道音楽コーラス自然科学
陸上美術排球音楽(ブラスバンドとクラシック)英語
剣道書道軟式野球写真語学
蹴球無線剣道おむすび会読書(文芸)
野球生物囲碁将棋友愛おもかげ
卓球化学美術珠算
弓道地理書道
地学演劇
数学弁論
歴史速記
珠算簿記
英語新聞
出典:『浜松西高新聞』1956年6月2日、浜松商業高等学校『我心ヶ丘』、西遠女子学園『創立八十周年記念誌』より作成