[国体秋季大会の開催]

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【国体秋季大会】
 夏季大会の閉会から約一カ月、昭和三十二年十月二十六日に静岡市の草薙陸上競技場で第十二回国民体育大会の開会式が行われた。浜松市では同日の午後から軟式庭球とボクシングの開始式と試合が行われた。鹿谷公園の庭球場入口までは、姫街道と六間道路から新しく道路(国体道路)をつくり、六面のコートが整備されていた。国体開催には八面のコートを必要としたが、二面は市立高校のものを使うことにした。地元からは浜松北高の二選手が出場した。ボクシングは経費節約のため、浜松市営プールに特設リングを設けた。特設リングは水をたたえたプールの上に板を張り、その上に二つのリングを設けて競技を行った。浜松市からは三名の選手が出場した。バレー競技は野口公園につくられた六面のコートで行われたが、隣接の東小学校に四面の練習用のコートを準備した。バレーボールの開始式は二十七日の午前九時三十分から行われ、競技に入った。この日の午後には地元の西遠女子学園高校が出場し、この時間に天皇、皇后両陛下が競技をご覧になられるとあって、野口公園一帯には大勢の観客が詰め掛けた。この天覧試合では西遠女子学園高校が勝利を収めたが、翌日の試合では東京の名門・中村高校に敗れた。秋季国体は十月三十日に閉幕したが、これまで連続して東京都が獲得していた天皇杯を初めて静岡県が獲得し、スポーツ王国静岡の名を全国にとどろかせた。

図3-35 国民体育大会天皇杯獲得披露パレード