昭和二十六年(一九五一)九月、サンフランシスコで講和会議が開かれ、四十八カ国とサンフランシスコ平和条約が調印された。翌年四月二十八日、条約が発効して七カ年に及んだ占領は終結し、日本は独立国家としての主権を回復した。この占領体制からの解放が政治・経済はもとより、社会・文化の各方面へ様々な影響を呼び起こした。ここでは日本国憲法下の政教分離、信教の自由を前提としながらも、宗教・思想の分野においてわき起こった動向を見ることにする。それは政治と宗教との関係、戦災で壊滅した社寺のうちの遅ればせながらの再建築活動などである。