[復古調の展開]

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【復古調 逆コース】
 経済状況の好転を背景にして、「日本はすっかり復古調」になり、「それまでのGHQ政策による改革や革命的な流れに反して、どんどん〝逆コース〟を辿りはじめ」、「戦後GHQの改革によってガラガラと崩された国のかたちを再び立て直そう、できるだけ昔どおりに戻そうといった法律がどんどんつくられた」(半藤一利『昭和史 戦後篇』)と評される時代が来たのである。それは紀元節の名称の復活論、防衛庁設置法、再軍備論があり、経済界にあっては経済好況を言うのに「神武景気」(昭和三十年~三十二年)、「岩戸景気」(昭和三十三年~三十六年)、「いざなぎ景気」(昭和四十一年~四十五年)という建国神話にちなんで有史以来の好景気を強調したことにも現れている。