[浜松市仏教会の活動]

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【浜松市仏教会】
 昭和二十九年十月十六日付の『浜松民報』で、浜松市仏教会長鴨江寺住職建部快運は静岡県仏教会浜松支部の成立経過と活躍状況とを語っている。すなわち、大正三年十月、遠州一円の各宗寺院有志が免囚保護機関の設立を協議し、十一月、遠州仏教救済会を発足させた。大正十年には各宗僧侶の托鉢によって浄財を集め、昭和三年の昭和天皇御大典記念事業として浜松仏教養老院を創設し、春秋二回の托鉢による浄財でこの経営を支えた。浜松の寺院は大正大震災後の救護活動や昭和五年の不況時代に労働者援護の活動を行ってきた。昭和十二年一月設立の静岡県仏教会浜松市支部(浜松市仏教会)は、戦後には一層の活動を行い、養護院を拡張し、母子寮も併設した。
 戦後の諸寺復興再建策として、幼稚園を経営する寺院例はすでに述べたが、昭和二十九年の時点での傘下の寺院では、宗教教育の一環として全寺院の十%が幼稚園経営を行い、洋裁学校・託児所・語学塾・参禅会等を企画運営する寺院は五%もあり、民生委員として社会的な活動をする者は十%もいるという。浜松市仏教会の布教活動は超宗派で支えられているという。