昭和二十八年に着工された佐久間ダムの工事が進むと、観光バスのコースに組み入れられて、各地から見学者がたくさん訪れるようになった。三十年四月から九月までの半年間に、一カ月平均二十三台のバスが千百四十人の観光客を佐久間ダムへ輸送した。ダム完成五カ月前の三十一年五月には佐久間貸切営業所を開設して対応した。見学者の数は、ダム完成後の三十二年~三十三年がピークであった(『遠州鉄道50年史』平成五年)。
佐久間ダムの建設は、後述する遠鉄バスの貸切バス事業の発展に大きな影響を与えることになった。
図3-51 佐久間ダムの見学バス