[道路延長の急伸と街路計画の進展]

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 戦災復興事業としての街路計画は、昭和二十五年の朝鮮特需を契機とする景気回復後から軌道に乗っていった。特に二十七年の浜松市役所の移転は、北西方向に街が拡大していく契機にもなった。市役所周辺は、住民の協力により、区画整理と道路の拡幅・舗装が進展し、整然たる道路が完成しつつあった。一方、昭和二十九年から同三十二年にかけて周辺十二カ町村の合併により、道路の延長は著しい伸びをみせた。また、二十八年五月十八日には県道二俣浜松停車場線など幾つかの県道が二級国道百五十二号線、県道浜松掛塚線などが二級国道百五十号線となった。
 この結果、『浜松市勢要覧』によれば、市内の国道延長は昭和二十二年の五・八キロメートルから二十九年には十二・〇キロメートルへ、そして三十四年には二十九・二キロメートルへ増加した。同じく県道は二十キロメートルから、八十三・一キロメートル、百二十二・五キロメートルへ、市道は六百二十五・五キロメートルから千六百四十八・六キロメートル、二千二百九・一キロメートルへそれぞれ増加した。総延長は約三・六倍の二千三百六十一キロメートルとなった。
 
【街路計画の変更】
 戦災復興事業としての街路計画は、昭和二十九年度の完了を目標としていた。しかし、東海道本線の高架線や新浜松駅を中心とした街路計画が実現困難となったこと、合併により道路延長が増加したことなどにより昭和二十九年三月には街路計画の一部を変更決定するに至り、完成年度を新たに三十三年度とした(表3-28・図3-52参照)。
 
表3-28 昭和29年変更後の街路計画
街路番号路線名起点・終点幅員街路番号路線名起点・終点幅員
Ⅰ. 1. 2伝馬池川線伝馬・下池川 36mⅠ. 3.21天竜川駅前通線和田地内 22m
Ⅰ. 1. 2旭八幡線旭町・常盤36Ⅱ. 1. 1旭野口線旭・野口20
Ⅰ. 3.22八幡植松線八幡・植松25Ⅱ. 2. 5海老塚白羽線海老塚・白羽16
Ⅱ. 2. 6中沢和田線中沢・和田16Ⅱ. 1. 3鍛冶元浜線鍛冶・元浜20
Ⅰ. 1. 6龍禅寺中ノ町線龍禅寺・中野町36Ⅱ. 1. 4板屋蜆塚線板屋・入野20
Ⅰ. 1. 7龍禅寺可美線龍禅寺・可美36Ⅱ. 1. 5中島三島線中島・三島20
Ⅰ. 3. 2板屋中ノ町線板屋・中野町25Ⅱ. 1. 6浅田明神野線浅田・可美20
Ⅱ. 2. 1旭中田島線砂山・中田島16Ⅱ. 1. 7伊場可美線西伊場・可美20
Ⅰ. 3. 4伝馬雄踏線伝馬・入野25Ⅱ. 1. 8広沢入野線広沢・入野20
Ⅰ. 3. 5旭伊場線旭・西伊場27Ⅱ. 1. 9和合富塚線和合・富塚20
Ⅰ. 3. 6東田町追分線東田町・追分25Ⅱ. 1.10曳馬住吉線曳馬・住吉20
Ⅰ. 3. 7八幡三方原線八幡・葵27Ⅱ. 1.11三島芳川線三島・芳川20
Ⅱ. 2. 4松江龍禅寺線松江・龍禅寺16Ⅱ. 1.12三島若林線三島・可美20
Ⅱ. 2. 2平田飯田線平田・飯田16Ⅱ. 1.13入野可美線入野・可美20
Ⅰ. 3.10龍禅寺森田線龍禅寺・森田25Ⅱ. 1.14佐鳴湖東岸線入野・富塚20
Ⅱ. 2. 3砂山掛塚線砂山・河輪16Ⅱ. 1.15上島和合線上島・和合20
Ⅰ. 3.12鴨江和合線鴨江・和合25Ⅱ. 1.16上島市野線上島・長上20
Ⅰ. 3.13追分富塚線追分・富塚25Ⅱ. 1.17白羽大柳線白羽地内20
Ⅰ. 3.14助信住吉線助信・住吉25Ⅱ. 1.18白羽線白羽地内20
Ⅰ. 3.15助信宮竹線助信・宮竹25Ⅱ. 3. 1池川広沢線上池川・広沢12
Ⅰ. 3.16松江曳馬線松江・曳馬27Ⅱ. 3. 2伊場亀山線東伊場・亀山12
Ⅰ. 3.17天神長上線天神・長上27Ⅱ. 3. 3佐鳴湖西岸線入野・富塚12
Ⅰ. 3.18天神名塚線天神・名塚27Ⅱ. 1.19*山下上島線山下・上島20
Ⅰ. 3.19曳馬早出線曳馬・早出25Ⅱ. 2. 8*鴨江西伊場線鴨江・西伊場16
Ⅰ. 3.20子安大柳線子安・芳川25Ⅱ. 2. 9#鴨江入野線鴨江・入野16
出典:『浜松市戦災復興誌』より作成
注:*は昭和29年追加、#は33年追加。