[利用者急増への応急策]

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【交換機の切り替え 浜松電話局】
 電話利用者の急増への対応策として、基本的に局舎に収容可能な限りで交換台を増設した。また、昭和二十七年一月三十一日には全国で初のケースと言われる市内マルチプル・ジャック(回線を固定せず空いた回線を利用できるようにした交換機)への切り替えにより、市内電話の加入者回線数の増加を図った。しかし、「浜松電話局への電話加入者は約四千、同局はさらに三千台を増加する余裕があるものの昨年一カ年間に約一千台増加した実績からみて、ここ二、三年以内に飽和点に達する」(『静岡新聞』昭和二十七年七月十七日付)状況であった。
 
【準即時通話方式】
 市外通話については、昭和二十七年四月十七日に浜松─磐田間でそれまでの待時通話方式から手動の準即時通話方式(交換手を呼び出し、相手先電話番号を告げる。待時通話方式と違って受話器を置かずにそのまま相手先の応答を待つ方式)への切り替えが行われた。これにより特急で七分、普通だと三十分もかかった両市間の市外電話回線が、混む時間帯でも待ち時間は一、二分に短縮された。とはいえ、その他の地域では即時通話方式への切り替えは進まなかった。依然として待ち時間は、浜松周辺でも小松とは平均二時間四十三分、笠井とは一時間三十分、二俣とは二時間十分といった具合であった。