[生活改善と消費者運動]

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【食生活の改善 浜松保健所 栄養指導車 巡回調理指導】
 農村部の婦人会や農協婦人部を中心とした生活改善運動や新生活運動では台所改善が大きなテーマであったが、食生活の改善にも力を入れ始めた。「毎日の健康は食生活の改善から」と浜松保健所が栄養指導車による巡回調理指導を昭和三十二年一月から始めている。二人の栄養士が「単調になりがちな農家の食膳には蛋白、脂肪、灰分、ビタミンの四色配合食事を」と、実際に調理しながらの説明に、エプロン姿や野良姿の農家の婦人たちは熱心に聞き入り、大好評であった(『新編史料編五』 七社会 史料47)。
 
【勤労者協議会 北寺島町勤労者協議会 生活協同組合】
 都市部ではスーパーマーケットがまだ無かったころ、勤労者の中には安くて安心して買い物をしたいとの願いから地域で勤労者協議会を作り、信頼できる店を指定して割引などをしてもらう運動に取り組んだ。これは食料品や洋品以外に、理髪やパーマ、入浴料などにまで及んでいった。初めて作られたのは昭和三十一年の北寺島町勤労者協議会で、昭和三十三年には寺島町勤労者協議会(親和会)が出来ている(『新編史料編五』 七社会 史料96)。同年にはほかに笠井・新津・芳川・五島・追分・三方原・鴨江・龍禅寺・和合町・富塚・天竜川地区、城北校区、北小校区にも出来た。これら各地の勤労者協議会の連合体として浜松市勤労者協議会連合会が昭和三十三年十一月に結成され、活動はレクリエーションなどの分野にまで及んでいった。また、生活協同組合や勤労者協議会の売店も出来るようになった。