[朝鮮戦争と旧朝連・民団]

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【旧朝連民団抗争事件 朝鮮人】
 朝鮮戦争が始まると、朝鮮人の内部では北を支持する旧朝連(在日本朝鮮人連盟)と南を支持する民団との軋轢が激化し、昭和二十六年十二月に抗争事件が発生した(『新編史料編五』 七社会 史料81)。昭和二十六年十二月十一日の夜、民団系の中島町のパチンコ店に二十数名の旧朝連系の朝鮮人が小石や棒切れを持って殴り込みをかけた。民団系と旧朝連系との間で発行者名のないアジびら散布事件がきっかけであった。当時浜松には約千人の朝鮮人が居住していたが、八百五十人が旧朝連系、百五十人が民団系と言われていた。翌日夜には浜松駅や板屋町の文化劇場前でまたもアジびらがまかれたことからさらに対立は先鋭化していた。浜松署はパチンコ店殴り込みの容疑者五人を逮捕、これ以後旧朝連系の人たちは逮捕者の釈放を求めて、女・子どもも交えて連日のように示威運動を繰り広げた。このような暴動やデモは昭和三十二年ごろまで続いたようだ。