[大病院の新築と増築]

782 ~ 782 / 900ページ
 戦後の疲弊した国土と国民生活を再建するにあたり、戦前の政治・経済・社会・教育・思想・宗教・医療などの諸制度改革がGHQの勧告に基づいて遂行されてきたことについては、本書で記述の通りである。
 
【結核予防特別市】
 第三章のここでは、戦後の昭和二十年代の後半から、ほぼ昭和三十年代の前半までの時代において、医療にかかわる法的整備が推進されたことによって、それに基づく治療科目の新設や施設整備の充実が図られ、浜松市内の大病院での事業拡張について記述するものである。戦前では特に結核が恐れられたこともあり、戦後も結核治療対策には法的整備がなされたのである。昭和二十四年十月には浜松市が結核予防特別市に指定され、浜松市は五カ年計画で結核死亡率半減を目指した。同二十六年三月三十一日には結核予防法制定(改正)があった。これを契機として市内の大病院が病床の拡充を図っている。初めに「日赤」と親しまれる浜松赤十字病院、次いで遠州病院等の医療活動について述べる。