[演劇鑑賞組織]

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【浜松演劇愛好会】
 演劇鑑賞の組織作りの動きが見られるのは戦後としてはやや遅く、河合茂や菅沼五十一らを中心に浜松演劇愛好会が誕生するのは昭和二十八年九月のことである。機関紙『浜松演劇愛好会ニュース』(編集代表・菅沼五十一)№1(昭和二十九年三月二十九日発行)で、河合は第一回観賞会(「民衆の敵」…民芸)の成功を踏まえて「この演劇不毛の地と伝えられたらしい浜松にも、実際は新劇愛好者が、結構沢山いると分つたのは大きな収穫である」と述べ、当面の課題として、代表的な劇団をさらに次々に招くこと、自立劇団結成の二つを挙げている。この課題は、前者については後年の浜松演劇観賞協議会の結成(昭和三十七年)などにより実現をみているし、後者についても浜松放送劇団や劇団からっかぜなどの劇団の結成と長期にわたる充実した活動によって実現されていると言ってよさそうである。筆者の河合と、菅沼は共に浜松ユネスコ協会の役員であった。