これまで建築基準法や都市計画法により、用途地域は四つの地域に分かれていたが、新しい都市計画法による市街化区域の確定により、八つの地域に分けられることになった。用途地域の新旧対照は図2―6の通りである。これは住まいの環境保護を最優先にしながらもそれぞれの地域にふさわしい建物の用途や形態が定められ、用途の純化が図られることになった。これまで建物の高さが制限されていたが、この改正により第一種住居専用地域を除いて一律の高さの制限はなくなり、また、建ペい率も制限を緩和した。ただ、日照権には配慮した改正となった。この新用途地域の説明会は昭和四十八年二月末で終わったが、市民の関心は線引きの時と違って比較的低調であった。ただ、浜松商店界連盟は商業地域の拡大(東部地区・高台地区)や指定の延期を同年四月に市に要望、ほかの団体からも数多くの要望が出され、市はこれらを参考に県に対して意見・要望を提出、県都市計画地方審議会は同年十月二十日に浜松市など県下十五市町村の用途地域を決定、建設大臣の承認を受けて十月二十六日に決定告示となった。この詳細な地図や解説は『広報はままつ』昭和四十八年十二月十五日発行の新用途地域特集号に掲載された。これにより市街化区域内での秩序ある土地利用がなされることになった。
図2-6 用途地域新旧対照