【商業診断】
浜松は東海道本線の高架化に伴う浜松駅周辺整備事業によって大きく変わろうとしていたが、これに対応して中心商業地も新しく生まれ変わる必要に迫られていた。浜松市商工課が中心となって市の広域商業診断が行われ、この報告書が昭和五十二年四月にまとまった。報告書によると、新しく生まれ変わる浜松駅周辺地区には広域的な商業機能の集積が十分予想されるため、各商店街はそれぞれの個性を生かして買い物公園の計画化や専門店街づくり、歩行者天国の普及など、土地の高度利用と快適な施設づくりによるイメージアップが必要であるとした。そして、最優先に取り上げることは「再開発を前提とした組織づくり」であると結論付けた。また、各ブロックのイメージ的な機能づけを次のように提案した。
田町ブロック …専門店と飲食店と娯楽施設をうまくミックスした若者の街
鍛冶町ブロック…中心商店街をリードする役目を持ち、大型店と連携した高級専門店街
千歳ブロック …昼の顔(ショッピング)、夕暮れの顔(家族連れの食事)、夜の顔(飲食)を持ち、様々な楽しみを味わうことの出来る街
駅前ブロック …交通機関の結節点としての機能と高レベルの小売、商業機能、都市施設を持った浜松の顔としての機能を持つ街
この提言を生かすべく各ブロックの商店街は工夫を凝らしていったが、進出が相次いだ大型店に大きな影響を受けることになった。