[高度経済成長期の予算]

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【予算額の変遷 オートレース益金】
 戦後の日本経済は、昭和三十年から同四十八年にかけて高度経済成長の時代が続いた。浜松市は昭和四十五年度の市民所得推計をまとめた。これは市民の民力・経済力を示すもので、これによると市民一人当たりの所得は六十一万三千円で、県民所得の五十八万二千円を上回り、前年度に比べると八万八千円多くなったという。このような所得の伸びは浜松市の予算額にも反映することになった。
 高度経済成長期における浜松市の予算額の変遷(図2―8)を見ると、予算規模が急激に拡大していることが分かる。予算総額の対前年度比では昭和四十四年度の三十九%増を筆頭に、同四十二年度の三十五%、一般会計でも同四十五年度の三十八%を最高に、同四十六年度の三十七%増など、著しい増加傾向が見られた。
 このような中、浜松市ではオートレースからの収益金は市税収入の一割前後にも達し、なくてはならない重要な収入源になっていた。昭和四十二年一月五日に発行された『広報はままつ』によると、昭和三十一年に市がオートレースを始めて十一年、約二十億円に近い収益金が市の財政を潤しているという。年間で三億円のお金を工事に使うと、国、県の補助もあるので五億円の事業が出来るのである。昭和三十一年度から同四十一年度までのオートレース益金の使い道は表2―1の通りである。道路の改良や舗装、下水道施設の建設、市民会館の建設、小中学校の建設整備などに使われたことが分かる。

図2-8 浜松市の予算額の変遷

 
表2-1 オートレース益金の使い道
使途内容
年度
金額
レース場建設費償還
超短波無線放送施設
道路の改良と舗装
レントゲン車の購入
かんがい用排水路改良
小・中学校の建設整備
市民会館の建設
コンポストの建設
中小企業への金融措置
町を住みよくする会補助
新川の浄化・馬込川の改修
馬込川河口の整備
土地改良事業の推進
PTA負担の軽減
児童会館の建設
川や悪水路の改修
下水道施設の建設
体育館の建設
ごみ焼却場の建設
橋の修理と改良
都市計画事業の推進
(31年~32年)
(32年)
(32年~41年)
(32年)
(32年~33年)
(32年~38年)
(32年~36年)
(33年)
(33年~34年)
(33年~34年)
(34年~35年)
(35年)
(35年)
(35年~37年)
(36年)
(36年~41年)
(36年~41年)
(37年)
(37年)
(38年~41年)
(39年)
110,763千円
3,000千円
645,694千円
2,000千円
10,000千円
121,000千円
304,500千円
14,000千円
15,000千円
6,000千円
24,300千円
13,000千円
5,000千円
15,000千円
7,000千円
92,000千円
583,000千円
33,000千円
15,000千円
28,000千円
40,000千円
計                2,087,257千円
出典:『広報はままつ』昭和42年1月5日号