【警衛警備 皇太子ご一家の行啓】
警衛とは気を配って守ること、警戒・警護することといった意味があるが、警察用語では、皇室や国内外の要人の警護をすることを言う。特に皇室の警衛に当たっては国民との間の親和に配慮した警衛警備を実施し、御身辺の安全確保と歓送迎者の雑踏事故防止を図っている。
この時期皇太子ご一家の行啓がたびたびあった。昭和四十三年八月五日の警衛実施所を見ると、浜松中央署は浜松駅から細江町の平野社団西気賀保養所までの沿道に、署員約二百三十人を配置し、交通整理や出迎え市民の混雑整理に当たった。皇太子ご一家の通過する道路については、駐車禁止・車両通行止めという交通規制を実施、駐車禁止の箇所は大きく五つに区分され、最も長いのは四日午前零時から十日(帰京日)午後五時までの期間の所もあった。車両通行止めは、ご一家通過道路の交差点でそれぞれ通過予定時の五分から十分前となっていた。(『静岡新聞』昭和四十三年八月四日付)。ただ、全体の警衛では浜松中央署だけでは人員が足りないので近接各署からの応援を得ていた。また、同四十四年二月には皇太子殿下が県下の産業施設をご視察になり、浜松中央署管内の遠鉄舘山寺ホテルにご宿泊となった。この時は浜松中央署のほか、機動隊員の派遣受け入れによって警衛が実施された(『浜松警察の百年』)。