文化系の部活

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【吹奏楽 浜松工業高校吹奏楽団】
 文化系の部活動では器楽部や吹奏楽部などの活躍が見られた。浜松海の星高校では昭和三十年代の半ばから器楽合奏の大会で優秀な成績を収めた。浜松商業高校のリードバンド部は昭和四十三年、四十四年、四十五年の三年連続で全国優勝を飾った。浜松海の星高校の器楽部を育てた遠山栄一(詠一)は昭和三十九年に浜松工業高校に転任、吹奏楽部の指導を行うようになった。そして昭和四十年には静岡県吹奏楽コンクールで初優勝、同四十四年には全日本吹奏楽コンクール東海大会で優勝、同四十七年、四十八年に全日本吹奏楽コンクールで金賞を獲得し、全国の頂点に立った。同四十八年四月には米国吹奏楽研究協議会の招待により浜松工業高校吹奏楽団(団長は佐藤盛一校長、指揮は遠山栄一、一行六十五名)はアメリカ・メキシコの各地で十回の演奏を行い、国際親善に努めた(図2―21)。以後、同校の吹奏楽部は長年にわたって全国の頂点の座を守り続けた。
 
【黒田晋也 永田直美 珠算】
 前述の信愛学園高校の音楽科で学んだ黒田晋也と永田直美はその後オペラ歌手として国内外で活躍、平成に入ってこの二人は浜松市から「浜松ゆかりの芸術家顕彰」を受賞するなど、同校の音楽科は演奏や声楽部門で優秀な人材を輩出するようになった。科学の分野では浜松北高校や浜松西高校の個人や理科関係の部が鈴木梅太郎賞を数多く受賞している。また、昭和四十年代の初めには浜松女子商業高校の珠算部が団体で、また、個人でも全国優勝に輝き、戦前からの〝珠算の浜松〟の伝統を守った。

図2-21 メキシコ市で演奏する浜松工業高校の吹奏楽部