【浜松商科短期大学 幼稚園教員養成所 浜松短期大学】
浜松商科短期大学は昭和三十六年四月に二部(夜間部)を設置、多くの社会人を迎えて専門的な教育を行うようになった。同三十九年一月、浜松商科短期大学はこれまで静岡大学教育学部長を務めていた畠山一忠を学長に迎えた。畠山は学園の長期計画を策定する中で、これまでの短大や大学であまり顧みられなかった幼稚園の教員養成の必要性を考えるようになった。そして、昭和四十年四月に同短大内に幼稚園教員養成所(二年制)を開設、翌年にはこれまでの高林町の校舎から少し離れた住吉町に防音の鉄筋四階建て校舎を新築し、同四十二年四月に幼児教育科を増設した。同時に校名を浜松短期大学に改めた。同四十八年には短大付属住吉幼稚園を設置、幼児教育科と密接な関連のもとに保育の向上にも努めた。同短大の幼児教育科も二部(夜間部)を設置し、社会人にも門戸を開放し多くの有能な人材を育てたことは高く評価していい。興誠学園の創立五十周年記念として刊行された『興誠』には、幼稚園教員養成所二部の第一回卒業生の宮澤徳子が在学時代の思い出として「昼間は殆どの方が幼稚園にお務めでしたので、5時50分からの授業に遅れない様に走り込んで来る人、又ねむさに堪えられず、くらりくらりする人、ピアノの練習に励む人、時間の使い方を工夫し、時の貴重さをつくづくと感じさせられました…」と記している。