光産業

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【浜松テレビ 光電子増倍管】
 浜松の光産業のルーツは、テレビの生みの親、髙栁健次郎の愛弟子であった堀内平八郎が昭和二十八年に創立した浜松テレビ株式会社(前身は昭和二十三年に創立した東海電子研究所)であった。創業以来、同社は工業用テレビなどに使われている光の強弱を電気の強弱へ変える光電変換素子を開発してきた。当初はアメリカ製と同様のものを作っていたが、その後研究・開発を続け、アメリカ製を上回る光電装置を開発し、国内でも数少ない専門メーカーとして成長してきた。浜松テレビが生産する主力の製品は光電子増倍管で全体の六割を占めている。光電管、光導電セル、撮像管などはそれぞれ十%程度で、光電子増倍管の四十五%はアメリカやヨーロッパへ輸出している。製品の中にはにせ札の鑑定や宇宙ロケットを追跡する赤外線テレビに使われる赤外ビジコンなどもある。主力商品である光電子増倍管は各種分析機器、臨床検査装置、放射線計測装置など多方面にわたって利用される。また、電子増倍管は電子・イオン・真空紫外線、軟X線などの検出・測定などに用いられる製品である。
 浜松テレビで作られる製品はオートメーションシステムによるものとは異なり、従業員の頭と手先の結晶によるだけに研究開発に多くの資金と時間が投下されている。浜松テレビは、売り上げの一割を研究費に投じ、利益→研究→利益→研究の循環を成り立たせようとしている研究開発型企業である。