[新幹線の開業]

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 そして翌十月一日、国鉄東海道新幹線が待望の開業日を迎えた。午前七時二十五分に第一号列車として上り「こだま」が、同四十一分には下り「こだま」がそれぞれ同駅にすべり込んだ。ホームには平山市長、立石市議会議長、戸田商工会議所会頭、内田新幹線対策委員長はじめ各界代表のほか南小学校児童五百人が日の丸をかざして出迎えた。新幹線浜松駅の設置に始まって、北線実現と高架化実現に向けて運動を重ねて来た浜松市民の喜びもひとしおであった。
 
【こだま停車】
 この日から浜松駅には上下各十四本の特急「こだま」が停車することになった。これにより静岡まで三十五分、東京まで二時間十六分、名古屋まで五十五分、大阪まで二時間四十三分で行くことが出来るようになった。座席は全て指定で特急券は各駅に割り当てられることになっていたため、割当て枚数の関係で浜松駅では特急券がなかなか手に入らないという事態も生じたが、新幹線の運行は全体的には順調なすべり出しをみせた。
 
【新幹線車両の検修工場】
 なお、国鉄浜松工場は唯一の新幹線車両の検修工場として再スタートするため改修と機器の整備が進められた。昭和四十年五月二十四日に修理第一号車両が同工場に入り、翌二十五日に修理を前に修ばつ式(清めの儀式)が行われ、全般検査に入った。そして、計画通り検修を終えた新幹線の電車は六月十六日に出場した。また同年十月には車両検査のための検修庫などが完成し、第一次の工事を終えた。引き続いて、同設備増強工事が行われ、昭和四十四年三月に完了した。