[路線網・車両数・輸送人員等の推移]

237 ~ 238 / 1229ページ
【市営バス 遠鉄バス】
 市営バスと遠鉄バスの乗合の輸送人員は、昭和三十年代も引き続き増加傾向をたどり、路線キロ・走行キロ、車両数、輸送人員とも大きく伸び、市民の足として重要な役割を果たした。ただ、バス輸送人員は、昭和四十年度の九千七百二十九万人をピークに下降に転じた。この理由は、この頃から自家用乗用車の普及が進んだこと、自動車通行量の増加や道路整備の遅れを原因とする交通渋滞が深刻化し、バスの運行に大幅な遅れが出たこと等によるバス離れであった。それにもかかわらず、走行キロ数は増加を続け、その増加率は営業キロ数のそれを上回った。また新旧車両の交替も漸次進められた。
 このことは、一方ではバス事業に対して徹底した経営合理化を迫る要因ともなった。経営合理化は事業体内部からも要請された。すなわち、人件費の増加やインフレに伴う諸資材の高騰、労働力確保の困難などである。こうして、とりわけ昭和四十年代に入ると、ワンマンバスの採用、赤字路線の見直しなどの経営合理化が本格的に進められた。