【観光バス】
昭和三十年代後半には観光旅行ブームが起こり、貸切バス、特に観光バスの利用客は年々増加した。市営貸切バス事業は、昭和三十四年度の車両数十三両、走行距離三十七万キロメートル、輸送人員五十万人から昭和三十八年度には車両数十七両、走行距離七十四万キロメートル、輸送人員六十一万人へ急拡大した。遠州鉄道バスもまた、同時期、車両数は五十八両から九十一両へ、走行距離で百九十六万キロメートルから三百九十万キロメートルへ、輸送人員では百四万人から百六十九万人へと増加した。しかし、輸送人員は市営バス、遠州鉄道バスともに昭和三十年代末から四十年代初めにかけて減少した。
これに対して、遠州鉄道バスは、昭和四十二年七月に観光バスセンターを開設し、同社およびグループ企業の浜松観光自動車(株)、浜名湖観光自動車(株)(昭和三十八年設立)の車両の引き受け窓口を一本化した。これにより業務を合理化するとともに、専業化を図って需要を喚起した。これにより同社の貸切部門の輸送人員は昭和四十三年度以降再び増勢に転じた。