[経営協議会の発足]

242 ~ 243 / 1229ページ
 市営バスの収支は、特に昭和三十八年度からマイナス幅が大きくなり、累積欠損金も拡大し、昭和三十九年には一億円を突破した。市営バスの経営は、市民の公共の利益に資するという営利を超えた目的があるとはいえ、事業路線のうち黒字路線はわずか数路線という状態を放置することは出来なかった。こうしてバス事業の経営内容を分析し、赤字解消を運賃改定のみに求めることなく抜本的な改善を図る目的で、昭和三十九年六月に浜松市自動車運送事業経営協議会を設置、各界の代表から意見を集約して経営健全化計画を策定し、これを実施することとした。
 
【市営バス再建策】
 経営協議会は、昭和四十一年三月、「自動車運送事業経営の総合的施策に関する報告」を出したが、同報告書は、現行事業を維持する立場から、基本対策として次の六項目に言及した。①遠州鉄道株式会社との協定の見直し、②経営管理体制、③給与体系の検討、④他会計との負担区分の明確化、⑤その他の合理化(ダイヤの再編成、ワンマンカーの採用、事務の簡素化・能率化、労務管理)、⑥累積赤字の解消
 既述の市営バスの路線の統廃合とワンマンカーの採用は、経営健全化計画に基づいて実施されたものであった。