[協定の見直し]

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 市営バスと遠州鉄道バスは、昭和二十三年以降、共存共栄を図るために事業区域などに関わる協定書を取り交わした。市域の拡大など諸条件の変化に応じて部分的に改定されたものの、この協定により市営バスの事業区域は原則として市域の一部とし、事業区域を越える郊外路線については、運行回数の制限が設けられるなどした。
 昭和三十六年に遠州鉄道株式会社との間に結ばれた協定書によれば、浜松市営バスの事業区域は、市街地を中心にした市域の約三分の一に限定されていた。また、市営バスと遠州鉄道バスの協定区域外に係る路線及び既得路線に競合併行交叉する路線を新たに経営しようとする場合は、事前の協議が必要であった(第三条)。このため、市域の拡大に応じた市営バスの自由な事業展開は制限されていて、それが市営バスの業績悪化の一つとも考えられていた。
 
【市営バスの経営悪化】
 市営バスと遠州鉄道バスの協議を重ねた結果、昭和四十七年二月に利用者の利便増進と「一路線一営業主義」を原則とする輸送秩序の確立を図ることを目的として従来の協定が改定された。改定によって市営バスの営業路線に大きな変化は見られなかったが、市側と遠州鉄道との間にバス事業協議会、市交通部と遠州鉄道との間に会議(市社会議)が設置された。

図2-36 市営バスの収益的収支と累積欠損