[市営バスの採算悪化]

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 浜松市は、市営バスの経営悪化に対して昭和四十一年度から一般会計から補助金を支出した。この補助額は四十七年度まで総額で三億八百四十万円に上った。補助金額は、図2―36で示した総収入に含まれているため、これを除くと収支差額はその分だけ多くなり、採算悪化は深刻な状況であった。
 市長の諮問機関として昭和四十三年三月に設置された浜松市自動車運送事業懇談会は、同年十二月、「浜松市自動車運送事業の経営に関する意見書」を答申、その経営は「すでに破局の限界に達しているもの」と考えられ、「前途はきわめて多難であることを改めて認識」したとしながらも、一方で住民福祉の増進という観点から、市営バスの再建にあらゆる努力を傾注すべきとした。
 経営危機は昭和四十六年度からさらに深刻となり、昭和四十七年度には累積欠損は七億六千百万円に達した。