[浜松市指定文化財]

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【浜松市指定文化財】
 国で文化財保護法が制定されたのは昭和二十五年のことで、以後国と地方とで文化財保護の動きが高まった。静岡県文化財保護条例が制定されたのは昭和二十七年。浜松市で浜松市の文化財の保護に関する条例が施行されたのは昭和三十三年四月一日のことである。その第一条に「市内に所在する文化財のうち市にとつて重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もつて市民の文化的向上に資するとともに、わが国文化の進歩に貢献することを目的とする。」とあり、第四条には「委員会は、第二条の文化財のうち市にとつて重要なものを浜松市指定文化財に指定することができる。」とある。この第四条に基づいて浜松市が「浜松市指定文化財」を指定したのは昭和三十四年六月十八日のことであった。ここにいう委員会は教育委員会を指し、また第二条の文化財とは、文化財保護法及び静岡県文化財保護条例の規定により既に指定を受けているもの以外の文化財を指す。対象は次の七件であった。
  ・浜松城跡(史跡、元城町)    ・追分一里塚(史跡、葵町)
  ・根上り松(天然記念物、鴨江町) ・太子淵の松(天然記念物、浅田町)
  ・米津台場跡(史跡、米津町)   ・入野古墳(史跡、入野町)
  ・浜松張子(無形文化財、旅籠町 二橋志乃)
このうち、浜松張子は、製作者の二橋志乃が昭和四十八年に亡くなったために指定解除となっている。根上り松と太子淵の松については、平成二十三年時点で自然や公害による損傷が目立ち将来が案じられている。
 平成十六年現在での浜松市指定文化財は四十八件(記念物十九、有形文化財二十七、無形文化財一、民俗文化財一)である。なお、国指定の文化財は蜆塚遺跡など三件、県指定の文化財は笹ヶ瀬隕石など二十件である。浜松市では、市民に文化財への理解を深めてもらうことを目的として「指定文化財のしおり」なる冊子を発行している。