【バスターミナル 大壁画 伸びゆく浜松 モニュメント】
浜松駅北口駅前広場の最終整備計画案が昭和五十五年(一九八〇)一月に開かれた市議会都市再開発高架促進特別委員会で示された。それによると、中央部分に直径七十七メートルに及ぶ十六角形の島式バス乗降場(十六バース)を設置し、この地下に直径五十五メートルの円形地下広場を建設、ほかにタクシー乗降場やタクシープール、一般車の送迎者乗降場などがつくられるという。また、この付近の電線はすべて地下に埋設されて、電柱や電線のないすっきりとした景観になるとのことであった。浜松駅付近の高架化工事完成から約三年、北口広場の主要部分であるバスターミナルは昭和五十七年十一月一日に供用を開始した。十六バースには市営バス・遠鉄バス・国鉄バス・静鉄バスの乗り場が出来た。北口駅前広場にはカスケード(人工滝)が造られ、通行人からは十円や百円の硬貨が投げ込まれることもあった。バスターミナル地下広場には浜松市が進めていた修景施設の大壁画が完成、昭和五十八年十二月十六日に除幕式が行われた。大壁画はベルギーのルイ・フランセンが手掛け、縦三・四メートル、横二十八・四メートルで「伸びゆく浜松」をテーマにしたもので、ピアノ、オートバイ、織物といった浜松の三大産業や市民の木、凧揚げ合戦などをイメージしていた。素材は信楽焼陶板レリーフ、アルミキャスト、ガラスでウグイス色を基調とした陶器のつややかさが景観とよく似合うものであった。北口駅前広場の最大の修景施設である高さ二十メートルのモニュメントが完成し、式典が行われたのは昭和五十九年四月五日であった。モニュメントは鋼板製で、太い柱と細い柱が二本並び、地下広場から地上にそびえ立ち、力強く伸びゆく浜松を象徴したものであった。修景施設全体の計画は東京芸術大学の美術学部長の清家清を委員長とする修景施設計画委員会が行ったもので、このモニュメントの完成により五十五年度からの整備事業はすべて完成することになった。