第三次浜松市総合計画

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【基本構想 産業と文化の調和ある豊かな人間都市】
 二十一世紀の浜松市の将来展望を見通す第三次浜松市総合計画の策定委員会が昭和六十年六月に発足した。委員会は議会代表や市の各界代表、市三役など七十人で構成され、多くの市民の意見も取り入れて十月をめどに基本構想の策定に乗り出した。これまでの第一次、第二次構想は平山市政下で策定されたものであったが、今回はテクノポリス構想や国際化、高齢化社会、高度情報化社会などの課題の下、栗原市長の持論であった「産業と文化の調和ある豊かな街づくり」を目指すものとなった。同年十一月に第三次浜松市総合計画基本構想が決まり、浜松市は「産業と文化の調和ある豊かな人間都市」づくりに向け、次の五つの大綱を掲げた。五つの大綱とそれを実現する主な施策を記してみよう。
 
  第一 風格ある都市づくり   浜松駅周辺の整備 良好な市街地の整備 魅力ある都市景観の形成
                 総合交通体系の整備 総合防災対策 情報通信網の整備
  第二 住みよい生活環境づくり 豊かな居住環境の創出と住宅水準の向上 緑と水と土を活かした
                 うるおいのある都市空間の創造 安定的な生活用水の確保
                 水質環境の改善と下水道普及率の向上 衛生的な生活環境の確保
  第三 心豊かな人づくり    生涯学習体制の整備 新しい市民文化の創造 市民スポーツの振興
                 ふれあいのある地域社会の形成 国際交流の推進
  第四 幸せと健康づくり    幸せと希望のある地域福祉の推進 生涯にわたる市民の健康づくり
                 勤労者の福祉の増進 消費生活の安定と向上
  第五 活力ある地域産業づくり 高度技術に立脚した工業の振興 魅力ある商業基盤の形成 
                 地域に根ざした中小企業の育成
                 都市近郊型農業の確立と新しい農業への展開
                 つくり育てる漁業の育成 観光・レクリエーションの振興
 
 この基本構想の下、昭和六十一年度から昭和六十五年度までの基本計画が決まり、総額で約二千九百七十三億円に上る事業が行われていった。