昭和四十六年(一九七一)九月十八日、浜松中央警察署は鴨江町から下池川町に新築された庁舎で業務を開始した(落成式は同月二十五日)。旧庁舎は昭和三年(一九二八)十月伝馬町から移転、新築されたもので、建物の老朽化と事件・事故処理をするには手狭となったため、庁舎建設が待たれていた。
新庁舎は総事業費二億三千三百万円、本館は鉄筋コンクリート四階建て延べ三千八百七十七平方メートル、付属建物も入れると延べ四千八百四十八平方メートルもあり旧庁舎と比べて約二倍の広さとなった。駐車場も庁舎の前後で五十台の収容能力があり、庁舎の留置場も扇型になって監視の眼が十分届くようになったのも特色の一つと言われた(『東海展望』昭和四十六年十月号)。
庁舎一階には通信指令室が設けられ(所属は県警本部に属する)、静岡県西部(菊川・掛川・磐田・浜松東・浜松中央・細江・新居の各警察署管内全域)地区の一一〇番電話は全てこの通信指令室に入電し、その情報はここから無線で全警察署に通報されるシステムになったので広域捜査が機敏に行われ、検挙率も高くなるなどの大きな効果を上げた(『東海展望』昭和四十七年八月号)。
この下池川町の庁舎は地震対策上問題があると判断され、住吉五丁目に移転(図3―11)、昭和六十二年二月九日から新庁舎での業務を開始した(静岡県警察本部『警察風土記』)。
図3-11 新しくなった浜松中央警察署(住吉五丁目)