消防組織法(第二十一条、平成十八年以降は第三十九条)に、市町村は必要に応じ、消防に関し相互に応援するように努めなければならない、とされ相互応援協定締結は市町村長の権限であった。昭和四十一年(一九六六)頃には県西部の浜松・磐田・掛川・袋井・天竜・浜北の六市で特別相互応援協定を、隣接の浜北市、細江・引佐・舞阪・雄踏・新居の各町、可美村と普通相互応援協定を結び、応援出動していた(『静岡新聞』昭和四十一年二月三日付)。
昭和四十八年版の『浜松消防』(消防年報)では、火災・救急の規模の拡大などに伴い次のように相互応援協定がより広い範囲となったことが分かる。
県西部広域消防相互応援協定市
浜松市、磐田市外二町消防組合、掛川市、袋井市外四町村消防組合、小笠地区消防組合、天竜市、浜北市、
引佐郡消防組合、湖西市新居町消防組合
市町村相互応援協定市町
浜松市、浜北市、引佐郡消防組合、磐田市外二町消防組合、湖西市新居町消防組合
東名高速道路消防相互応援協定市町
磐田市外二町消防組合、引佐郡消防組合、浜松市、袋井市外四町村消防組合、愛知県新城市、豊橋市、
一宮町、豊川市
なお、前述のように雄踏町、舞阪町、可美村は昭和四十七年四月から消防事務を浜松市に委託していた。
昭和五十七年版の『消防年報』には、先の三つ以外に国道一号浜名バイパスにおける消防相互応援協定を浜松市、湖西市・新居町消防組合との間で締結したことを記している。『消防年報』同六十一年版は、新たに静岡県消防相互応援協定を載せている。この協定を結んだのは県内全市町村である。この協定第三条に、ここで言う災害とは消防組織法第一条に規定するもので「水火災又は地震等」とあった。東海地震発生の可能性が叫ばれている中で消防も対策に万全を期した。