テレビ

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【教育テレビ】
 NHK浜松放送局がテレビ放送を開始したのは昭和三十四年十二月一日であるが、これ以前の同年二月の調査によると小学校四十校のうち元城、竜禅寺など四校がテレビを学校に備えており、中学校では十九校のうち南部、北部など五つの学校で教材用として生徒に見せていることが分かったという。広沢小学校では昭和三十二年と三十四年に寄贈を受けた二台のテレビを主に社会科と理科の授業で取り入れ、子供たちにいかにテレビを活用させるかという課題に取り組んだ。昭和三十五年初めの同校の学区ではテレビ普及率は三十二%、全国的に見ても高率で、テレビによって子供たちには様々な影響が出ていたようだ。「勉強をしなくなつた」などの声がある反面、ニュースなどは目で直接見るため感動が大きく、視野が広くなったとの意見もあった。多くの学校がテレビを購入し、授業に取り入れるようになったのは浜松でNHKの教育テレビが放映を始めた昭和三十五年九月一日からであった。浜松の教育テレビの放映は東京、大阪、函館に続いて全国四番目ということもあって学校でこれをいかに活用するかが問われていた。いくつかの学校では「学習に役立つテレビ放送の利用」についての研究、中には「テレビ教材の持ち味を生かした学習指導のあり方」などを研究し、テレビノートの利用を考えた学校もあった。昭和四十年には曳馬小学校の全教室に十九インチのテレビが入った。同四十四年頃には多くの学校にカラーテレビが入るようになった。昭和五十年からはVTRが導入され始め、多くの教育用のビデオテープが販売されるようになると、多くの学校では教育テレビの視聴から、視聴目的を絞り込んだビデオ視聴に重点が移るようになった。