[高校進学と進路指導]

503 ~ 504 / 1229ページ
【高校進学率 塾 予備校】
 浜松市の中学校卒業生の高校進学率は昭和五十二年三月には約九十%となり、それ以後も進学率は増え続けた。昭和五十八年度からは第二次高校生急増期に当たり、昭和五十八年に浜松湖南高校とオイスカ高校が、同五十九年に浜松江之島高校が開校するとあって大量の浪人が出る心配は消えた。ただ、普通科への進学者が増え、いわゆる進学校への志望者は多く、このための準備として塾や予備校などに通う生徒が増え始めた。これまであった塾は○○学院、○○教室、○○ゼミなどの名称を名乗るものもあり、大きな所は各地に系列校をつくるまでになった。
 
【一日体験入学】
 実業高校は学校の特色を一人でも多くの中学生に知ってもらうべく、昭和五十五年度から夏休みに中学生職業高校一日体験入学を実施した。昭和六十年八月に浜松商業高校で行われた一日体験入学には浜松市や周辺の七十一の中学校から生徒・保護者・進路指導の教師二千人余りが参加、浜松城北工業高校でも七百人余りが参加した。校内の見学や様々な体験をしたほか、クラブ活動まで見学し、進路選択の参考にした。こうした一日体験入学は私立高校や専門学校でも昭和五十年代から行われるようになった。
 
【入試制度】
 公立高校の入試制度では、昭和四十八年から実施してきた二教科組み合わせの学力検査を各教科を独立して検査時間も延長することにし、同五十三年度から実施した。これにより、一日目は学力検査とし、国語は五十分、社会・数学・理科・英語は各四十分とし、二日目に面接を行うなど、受験生の負担の軽減を図った。定時制課程の受験生は原則として作文のみとなった。また、農業や水産学科には推薦入学が初めて導入された。
 
【模擬テスト】
 公立高校の入試では、普段の成績や諸活動を基に作成される調査書(主にその内申点)が重視されるが、学力検査も加味されるため、学校内の成績だけでは合否の判断が出来ない面があった。県内では静岡県出版文化会がいわゆる模擬テストを十月と十二月に県内全ての受験生を対象に実施し、その成績を基に担任・生徒・保護者の三者面談を行うことによって受験校を決めていたのである。