【クリエート浜松】
これまで市内には視聴覚センターはなく、映画フィルムやレコード、ビデオなどは教育委員会(後に中央図書館)の一角に収蔵され、貸し出しが行われていた。視聴覚関係者からの要望が実り、視聴覚センターが建設されることになったが、これは中心部の公民館としての機能と市民ギャラリーとしての機能も併せ持つ複合施設(浜松市文化コミュニティセンター)として造られることになった。この複合施設の建設に際して珍しい取り組みがなされた。それは建物の愛称を公募することであった。多くの人たちの応募の中から選ばれたのは市内の高校生からの「クリエート浜松」であった。クリエートは創造するという意味で、呼びやすい愛称ということで高い評価を受けたが、このような愛称が市の施設に付けられたのは初めてであった。クリエート浜松は昭和六十三年七月十九日にオープン、視聴覚センターとしての機能や講座室、和室、ホール、スタジオ、クッキングルームなどの公民館的機能、また、三階には大小五つの展示室があり、市民ギャラリーとしての機能を持つ一大文化コミュニティセンターであった。愛称名のとおり、市民がいろいろな面で創造する喜びを実感できる施設として多くの人に喜ばれた。
【浜松復興記念館】
浜松市の中心市街地は戦災によって焦土と化した。昭和二十一年から始まった復興土地区画整理事業は社会情勢の変化や厳しい財政事情により再三の見直しがされ、そのすべてが終了したのは昭和五十八年三月、そして、この大事業の完工式が行われたのは同五十九年三月十四日のことであった。戦災の記録や復興の歩みなどを後世に伝えるべく造られたのが浜松復興記念館で、昭和六十三年八月十五日に開館した。ここでは戦災や復興の様子を写真や様々な生活用品などを展示すると同時に、各種の講演会や戦災遺族会の会員などによる当時の貴重な体験談などが語られていった。