浜松商業活動調整協議会

576 ~ 577 / 1229ページ
【ニチイ宮竹ショッピングデパート】
 ニチイの出店問題について浜松商業活動調整協議会(商調協)は、昭和五十三年九月、ニチイが東京通産局へ大店法に基づく三条申請(開店六カ月前までに売場面積などを届け出る)を行い受理されたことを受けて、同年十一月から事前調整に入った。商調協はニチイや東棉紡績側に出店計画を聞き、さらに出店予定地(上西町)を視察、店舗面積、閉店時刻、休業日数を検討した結果、昭和五十四年二月、以下のような事前調整案を決定した。①売場面積の四十%削減(九千三百二十二・二平方メートル)、②閉店時刻十八時、③休業日数四十四日といった調整案を提示し昭和五十四年九月の開店を認めた。これに対してニチイ側は、この調整案を受け入れたため、正式に事前調整が成立した。同年十月二十五日にニチイ宮竹ショッピングデパートはオープンした。売場を二層に抑え建物を低く広く造り、駐車場を広く取った典型的な郊外型のショッピングセンターとしてスタートした。
 
【ジャスコシティ浜松ショッピングセンター】
 一方、ジャスコは昭和五十四年四月に三条申請を行い、東京通産局はこれを受理した。ジャスコが入野町への出店計画を打ち出してから三条申請の受理まで二年余りかかったのは、西武、松菱の売場面積を上回る市内最大規模であったため、市内商業者からの反発が強かったからである。第一回の商調協は六月に開催された。その後、数回にわたって会合が持たれ、八月二十一日に結審した。結審内容はA案とB案の両論併記の形をとった。A案は売場面積が八千四百二十平方メートル、B案は四千三百六十九平方メートルとし、開店時期は昭和五十五年十月以降とした。これに対しジャスコ側は難色を示し、国の大規模小売店舗審議会(大店審)に審議を仰ぐことにした。同五十四年十二月に大店審が出した結論は、売場面積一万五千平方メートルの申請に対して九千二十平方メートルの裁定であった。裁定の内容は表3―9の通りである。ジャスコシティ浜松ショッピングセンターは同五十五年十一月二十九日にオープンした。
 
表3-9 ジャスコ出店に対する大店審の裁定
出店計画
大店審裁定
売場面積
15,000m2
8,420+600m2(1年後)
営業時間
10 : 00~18 : 00
10 : 00~18 : 00
休業日数
44日
44日
出典:『静岡新聞』昭和54年12月13日付