大店法の改正に伴い中規模店まで規制を拡大したため、売場面積規制を逃れる手段として、各地でロードサイドなどに五百平方メートル未満の店舗が進出するようになっていった。いわゆるロードサイドストアである。浜松においても主要幹線沿いに自動車販売店やレストランなどが出店した。
【大型飲食店 ファミリーレストラン】
市の郊外に大型飲食店やファミリーレストランが進出し始めたのは昭和五十年代前半で、郊外の主要道路沿いに広い駐車場を併設して出店するケースが多かった。浜松市の外食産業の動向を見ると、昭和四十七年から同五十七年までの十年間で商店数は約二倍、年間販売額は三倍強の伸びを示し、いわゆる成長産業であった。高度成長期以降、食の洋風化と外食化が進み、特に若者をターゲットにしたミスタードーナツ、マクドナルド、ロッテリアなどが全国展開を行い、浜松市内にも次々に進出してきた。ファミリー向けの外食産業は、従来、ファミリーレストランカリブ、ちゃんこ江戸沢などであったが、五十年代の中頃になると県外大手企業が次々に進出し始めた。昭和五十五年五月に東京資本のすかいらーくが松江町にオープン、同年八月には名古屋資本のレストラン地中海が幸一丁目に進出、さらに、外食大手のデニーズもオープンした。このようにして、郊外を中心にファミリーレストランや大型飲食店が乱立し、激しい競争が展開された。