東海道線の高架化に伴って浜松駅周辺の再開発と大型店の進出計画が打ち出された。昭和五十四年七月、市当局は駅前広場計画図を提示し、国鉄側と交渉に入り同五十六年三月に周辺の関連道路と合わせて完成を目指した。その計画概要は、まず中央部分に直径七十七メートルの十六角形島式バス乗降場を設置、その地下に直径五十五メートルの円形地下広場を建設するというものであった。島式とは地上にバス乗降場を十六カ所、他に七カ所のバス乗降所を設置し、どの乗降所に行く場合も地上からの直行は出来ず、駅前広場および周辺道路と結ぶ地下歩道、階段を使って地下広場を通り、そこから階段やエスカレータを使って地上のバス乗降場に出るという方式である。またタクシーは約四十台のプールを駅前広場東側に設置、一般車用の送迎車用乗降場は、駅前広場の西側に建設するといった内容であった。
【浜松駅ショッピング街・コスタ】
このような駅前広場の整備に伴って大型小売店の進出が計画された。昭和五十六年四月、浜松ターミナル開発株式会社は東海道線と新幹線の高架下に浜松駅ショッピング街・コスタ(スペイン語でなぎさの意味)をオープンさせた。コスタは駅構内コンコース等を挟んで東側と西側の高架下に開設されたもので、四十四店舗が出店した。売場面積は千八百平方メートルの規模であった。