[地場産業振興センターの設立]

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【地場産業振興センター】
 昭和五十八年十一月二十四日、静岡県西部地域地場産業振興センター(ZIVA)が浜松市総合産業展示館の敷地内(流通元町)に完成した。規模は鉄筋コンクリート造り地下一階、地上四階、延べ三千六百平方メートルで、常設展示場、情報資料室、研修室、商談コーナー、ホール、会議室、食堂などを備えている。
 同センターは繊維などの地場産業の発展を推進する中核的役割を果たす目的で建設された。当地方において繊維産業は戦前から重要な地場産業として発展してきたが、ドルショック以降の円高傾向とオイルショックのダブルパンチで国際競争力を失いつつあった。そこで、繊維業界と静岡県繊維協会が中心になって中小企業庁等に陳情し、西部地区に繊維産業再生の拠点建設を要望した。昭和五十六年建設調査委員会を設置し、①地場産業振興中枢機能、②情報収集処理機能、③商品開発および技術研究機能、④人材養成機能などを持つ施設の建設計画を立てた。参加業種は繊維をはじめ鉄工機械、楽器、木工、木材、食品その他地場産業全般とした。また、建設主体は静岡県、西部地域の市町村、商工会議所、商工会などが出資する第三セクター・財団法人静岡県西部地域地場産業振興センターとした。
 特に、繊維業界では同センターが新商品・デザインなどの研究開発、他産地・国内外の市場動向の情報収集、見本市・展示会の開催などによって業界活性化の拠点になることを期待した。