有料老人ホーム

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【浜名湖エデンの園 浜松ゆうゆうの里】
 高齢化の進展と経済成長に伴う所得の増加により、高額所得者を対象とする快適な居住空間を持つハイクラスな有料老人ホームへの需要が高まっていった。聖隷保養園(後の聖隷福祉事業団)は聖隷三方原病院の隣接地(引佐郡細江町中川)に有料老人ホームの浜名湖エデンの園を昭和四十八年五月に開設した。ホテルの利便性、マンションのプライバシー、健康管理サービスの機能を兼ね備えた居住施設であった。ここは、五十五歳以上の健康な老人を対象としたが、最大の特色は生きがいのある生活をさせようとするもので、開設前の趣意書によると、原則として一日四時間は働くというものであった。仕事は農園での花作りや庭園の整備など、後には資格のある人は高校や短大で教師をしたり、ヘルパーとして、また、ボランティア活動なども行うようになった。『新編史料編六』 七社会 史料41の趣意書には、先進的な取り組みが記されている。昭和四十八年十二月、聖隷福祉事業団と改称すると、これとは別に地元や東京、大阪などの有力企業の協賛を得て日本老人福祉財団を設立、昭和五十一年六月に浜松ゆうゆうの里を開設した。以後、聖隷福祉事業団と日本老人福祉財団は全国各地にエデンの園とゆうゆうの里を次々に開設、さらに平成元年には聖隷福祉事業団は日本生命保険相互会社と組んで、ニッセイ聖隷健康福祉財団を設立し、日本最大級の奈良ニッセイエデンの園を平成四年に開設した。一時は、全国の有料老人ホームの約半分のシェアを持つに至った。浜松ゆうゆうの里の入居者は北海道から九州にまたがり、当初から空室待ちの人気であった(『新編史料編六』 七社会 史料46)。