[夜間救急室の開設]

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【夜間救急室 救急医療センター】
 昭和四十五年三月十四日付の『静岡新聞』によれば、この前日十三日に救急医療浜松地区連絡協議会が浜松保健所で開催され、消防署、警察、県衛生部、医療関係者が参加したという。今までの交通事故を中心とした外科救急に、今後は内科、小児科の急患を加えた救急医療の体制作りについて懇談したという。救急医療の体制作りのうちの構想には、夜間救急室の実現と、救急医療センターの実現とがある。
 ことに救急医療については夜間救急室の実現が急務であった。すなわち、同四十五年十二月十五日付『静岡新聞』には、夜間の救急医療について浜松市、浜松保健所、浜松市医師会の三者協議が重ねられてきたが、医師会側の勤務時間の調整がついたことを記している。
 医師会側の回答では、①休日(日曜、祝日、年末年始)の救急医療業務は従来通り、輪番医制で実施する、②平日夜間の救急医療は、在宅医通知制により実施する、③空床は六病院(遠州、日赤、国立、社会保険、労災、聖隷の市内の総合病院)で確保する、というものである。特に、②の平日夜間の救急は新規である。医師会加入の内科、外科、産婦人科の医師を九ブロックに分け、各ブロックごとに夜間在宅している医師名を市長(市消防本部)に通知しておき、急患は消防本部を通して在宅医を確認する仕組みである。
 夜間の救急医療体制については、浜松市長が医師会と病院側との協議会で、昭和四十八年十月三十日に責任を持ってこの施設を設置することを提唱したことを受けて、翌四十九年二月十四日付『静岡新聞』記事では、市と医師会とが合意したことが報ぜられている。この開設は四月(実現は五月)、場所は鴨江二丁目の市立診療所内で看護婦宿舎の改築による仮設の建物という内容である。しかし、問題点もある。開業医については、翌日の一般外来患者の診療に影響があるので、医師・看護婦の労働条件、報酬問題が検討課題である。すなわち、重症患者の手術や入院を引き受けるセカンドエイド(第二次診療機関)としての総合病院側においては、当直の場合、待機の医師・看護婦も必要となるのでこれを補償するという要望である。さらに医師会と病院側との診療区分については検討課題としている。