[新庁舎の施設と陣容]

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図3-51 浜松市保健所

 新庁舎は鉄筋コンクリートによる三階建てであり、一階は相談コーナー(母性相談診察室、歯科室、成人病・精神病相談室、健康相談室等)、二階は管理棟(所長室、総務課、環境衛生課、食品衛生課、レントゲン室)、三階は試験検査・保健予防課、化学検査室、公害分析室、細菌検査室、滅菌室、精密機器室、機械室、図書会議室等である。
 この新庁舎の内容となる設備は最新の機能を備え、新機構にふさわしい高度な技術力を有する職員を増員するという。つまり県の時代の七十八人態勢から百五十人態勢とし、その事務分掌を確保するという。しかし、『静岡新聞』(昭和四十九年一月二十七日付)では、百五十人態勢というのも実情は、当面は県庁職員としての保健所職員を出向の形で勤務させ、さらに、市役所の技術系職員を参画させ、不足人員の医師、獣医師、薬剤師、管理栄養士、食品衛生監視員、保健婦などを公募して補うという(ここで言う保健婦とは、昭和二十三年の法律第二百三号、保健婦助産婦看護婦法に基づく表記である)。
 昭和五十年十月十九日付の『静岡新聞』では保健婦不足が指摘されている。浜松市保健所は十五名を擁しているが、さらに八名の採用募集をしたものの、応募者ゼロという。
 地域の保健相談、健康相談、乳幼児健診、家庭訪問などで地域に密着して最前線で活動する職員が保健婦というものである。看護婦自体の不足が言われている昭和五十年十月の時点で、静岡県下の場合、保健婦を養成するのは静岡市にある県立厚生保育専門学院のみであり、看護婦資格を有した上で、さらに一年間の教育を経て保健婦有資格者となるものであることと、この卒業生数が県下の市町村の需要数に応じきれないために、浜松市保健所では現今、絶対数が不足しているというのである。
 なお、『新編史料編六』には、保健婦の詳細な活動内容を紹介した『広報はままつ』(第七九五号、昭和六十三年三月五日発行)を収録してある。なお、この時点での浜松市保健所勤務の保健婦は総勢二十九名であり、十年前の約一・四倍の陣容となっている。