成人病という用語は『ブリタニカ国際百科事典』では、「一九五五年頃から厚生省が使いはじめた用語」と記し、他方『最新医学大辞典』(医歯薬出版、昭和六十二年刊)では「昭和三十一年厚生省により命名された」と記している。四十歳前後から六十歳代の人々に発生率の高い疾患、例えば、脳血管障害、悪性腫瘍、心疾患、糖尿病、痛風などの、非感染性の慢性疾患を指している。しかし、平成八年には公衆衛生審議会によって新たに提唱された行政上の疾病概念として、これを生活習慣病と改称している(『最新医学大辞典』)。
浜松市の『広報はままつ』や新聞各紙は、成人病を誘発する原因やそれによって起こる問題、あるいは、高齢化社会における老人問題について、たびたび記事を特集して関心を喚起し警鐘を鳴らしてきた。また、各種業界の機関誌(紙)も成人病予防と、早期発見・早期治療のキャンペーンを張っている。以下にそれらの状況と特異点を見ることにする。