[諸機関紙のキャンペーン]

760 ~ 761 / 1229ページ
 昭和四十二年三月の日本国有鉄道浜松工場の機関紙である『はままつ』(第一一三号)には、昭和四十一年度の聖隷浜松病院による成人病検診結果集計表が公表され、その総括と予後、日常生活の留意点等が記されている。浜松工場では昭和三十八年度から毎年一回、三十五歳以上の職員を対象に希望者の集団検診を行ってきたので、その実績を踏まえた上での評価が示されている。集計表には年齢別受検者(総数一、〇三三人)・所見症状・各要注意者等の項目と集計が示されている。特に胃潰瘍と十二指腸潰瘍の疑い、高血圧症、糖尿病が増えていることが指摘され、成人病予防検診による早期発見を喚起した。なお、『新編史料編六』 八医療 史料26には、昭和四十八年二月一日発行、右の機関紙『はままつ』(第一八四号)所載の「成人病検診から分かったこと」を収載してある。
 
【糖尿病】
 昭和五十二年一月二十日号の『広報はままつ』には「糖尿病は恐ろしい病気」というタイトルの記事が掲載されている。死亡率の高い脳卒中や心臓病になる原因には糖尿病があるという観点から組まれた特集記事であり、寒い時節柄、二月第一週の成人病予防週間を告げるものである。糖尿病にならないためには過食・肥満・精神的ストレスに注意し、栄養・運動・休養の三要素のバランスを保つことを推奨している。また、四十歳から六十四歳の人は料金無料(ガン検診は五百円必要)で、心電図測定・検尿・血圧測定の検診をするというもの。検診はこの時点での五カ所、県西部浜松医療センター、聖隷健診センター、浜松赤十字病院、遠州総合病院、浜松社会保険病院である。
 昭和五十二年二月一日付『静岡新聞』には右の五カ所の総合病院の協力によって、浜松市保健所が行政サービスとして実施してきた成人病対策(循環器・子宮ガン・胃ガン・結核の検診、血圧測定など)のうち、胃ガンと子宮ガンの検診は成果が上がり、それによる死亡率は減少傾向にあると記す。これに対して肺ガン・乳ガンの死亡者が増えているという。保健所では五十二年度から従来の結核検診を肺ガンと結核の検診に切り替えるという。昭和五十四年四月二十日号の『広報はままつ』では「肺ガン検診・始めます」という一大キャンペーンを張っている。