広小路商店街の広小路共栄会の人々の発意によって、「彫刻の散歩道」が作られ完成を見たのは、昭和六十三年四月十四日のことである。場所はJR浜松駅のすぐ北側の、板屋町の市道・広小路通りである。散歩道とは言っても、新しく道が造られたというのではなく、この通りの左右にブロンズ彫刻十基が据えられたのである。彫刻は全て浜松市在住の彫刻家水野欣三郎の作品であった。水野は二紀会評議員、東京美術学校(現東京藝術大学)卒業の、浜松在住の彫刻家である(水野については、『浜松市史』四 第二章第九節第五項参照)。十基にはそれぞれ次のタイトルが付けられている。
①ヴィーナスの誕生 ②四季の起り ③海辺 ④影 ⑤寒山拾得
⑥サーフィン ⑦街角 ⑧春一番 ⑨ダフネの変身 ⑩谿声広長舌
なお、浜松市内のゆりの木通り(国道一五二号線)の四車線化に合わせ、歩道部分に日・米・英の十人の彫刻家の手になる石の彫刻五基が設置されたのは平成三年三月のことである。
図3-59 「彫刻の散歩道」作品のしおり