浜松わたしの歌

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 浜松市が、音楽のまちづくりのために市民に親しまれる歌を作ろうと「浜松わたしの歌」の作品を募集したのは昭和六十三年のことである。この年の『広報はままつ』六月五日号に「お年寄りも、若者も、そして、子供たちも口ずさむような気軽な浜松の歌があればいい…こんな親しみあふれる愛唱歌を広く皆さんから募集します。」とあって要項が次のように示されている。
 
  ①作詞・作曲の作品(どちらか一方では不可)で、未発表の作品
  ②浜松のイメージやゆかりある作品なら形式内容は自由(五分以内)
  ③作品は個人でもグループでも可。何編でも応募できます
  ④作品はカセットテープに吹き込んでください
 
【すてきな街浜松】
 応募作品は七十一曲。この中から入選作品十曲が選ばれ、平成元年一月二十八日、クリエート浜松において最終公開審査会が開かれ応募者の生演奏で十曲が披露された。審査員は浜松市出身の作曲家木下忠司(映画監督、木下恵介の弟)ら八名。審査の結果、市内に住む竹内俊介(作詞)はるみ(作曲)夫妻の「すてきな街浜松」が最優秀曲に選ばれた。浜松の自然をテーマにした明るい曲で、『静岡新聞』(一月二十九日付)は、夫妻の「美しい自然を守り続けるとともに、宇宙にジャンプする浜松の可能性をまとめた」「子供たちにも歌えるメロディーを第一に作曲しました」という言葉を紹介している。この歌は浜松市の全小中学校に合唱譜とカセットテープが配布された。
 
      すてきな街浜松
      作詞 竹内俊介
      作・編曲 竹内はるみ
 
  さわやかな陽のひかりと 豊かな自然の恵み
  みんなで集ろうよ すてきな街へ
  三方原の風さえも 励ましの言葉
  みんなでがんばろうよ すてきな街で
  愛にあふれた心を 育ててゆくなら
  新しい 素晴らしい 夢が広がる
  緑の林と 青い浜名湖
  世界にはばたこう すてきな 浜松
  きらきらと輝く水面(みなも)静かな自然の恵み
  みんなで集ろうよ すてきな街へ
  天竜の流れさえも 励ましの言葉
  みんなでがんばろうよ すてきな街で
  想いやりの心を 育ててゆくなら
  活力(ちから)の湧き出ずる 夢が広がる
  白い砂丘と 青い海原
  宇宙にはばたこう すてきな 浜松
 
              平成元年1月28日
              浜松わたしの歌最優秀賞受賞曲
 
【浜松おどり やら舞歌】
 なお、平成三年、浜松市・浜松商工会議所・浜松市文化協会で組織する浜松わたしの歌制作連絡会が、第二作目の制作を計画。シンガーソングライターで、当時の第一勧銀浜松支店長であった小椋佳(本名=神田紘爾)に依頼して平成四年に出来たのが、小椋の作詞・作曲による「浜松おどり〝やら舞歌〟」である。これは歌詞が一番から九番まであり、浜松の方言・言い回しを織り込んだ数え歌形式で、フォーク調の音頭と言って良いであろう。